「遅れる春の丘より」(長野県北安曇郡白馬村北城)
1986(昭和63)年
  向井潤吉先生は、戦後より一
 貫して、日本の風土に根ざした
 茅葺き屋根の民家をモティーフ
 として、制作を重ねてこられま
 した。

  戦後の高度経済成長の中で次
 々にその姿を消していく民家を
 求め、向井先生はつねに現場に
 おもむき、そして、誇張のない
 的確な写実表現によって、民家
 のありのままの姿を生き生きと
 とらえてきました。それはまた、
 日本の美しい風土そのものを描
 き残してきたとも言えましょう。


  向井潤吉アトリエ館は、向井先生とその
 ご家族が昭和8年より住まわれてきた、世
 田谷区・弦巻の閑静な住宅地に位置してい
 ます。クヌギ・コナラ・ケヤキなど、武蔵
 野の面影を今に残す樹木に囲まれたアトリ
 エ館は、まさに、向井先生の制作の息づか
 いを伝え、瀟洒な雰囲気を醸し出し、来館
 者にとって、潤いのある憩いの場となって
 います。

  アトリエ館は、昭和37年に建てられた、
 アトリエと住まいを兼ねた建築と、昭和4
 4年に岩手県一関より移築された土蔵によっ
 て、構成されています。
     ※設計施工 株式会社 佐藤秀
  (建築作品集で当館が紹介されています)

  アトリエ館では、年間3回の企画展を開
 催し、それぞれに向井潤吉先生の70年近
 くにわたる画業を、さまざまな視点から探
 り、ご紹介しております。